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ぬくぬく。
ちょっと前、お母さんから貰った、靴下。
肌触りが良くて、足に履いて床に踏みつけるのが、勿体無いくらい。
とても温かいです。今日は、冷えに悩まされず眠れるかしら?

+++++

以下、SSS。
『Sion Short Story』。名の通り、短編小説風な、私の物語です。笑。
でも、少し、愚痴っぽいというか・・・暗いんで、ご了承下さい。

+++++


8日の夕方、
私は、成人式実行委員の仕事で、退職された先生の自宅を訪れる予定だった。

でも、行けなかった。遅刻をしたので。

勿論、しっかりと時間を計算しなかった、私の責任だ。
だけど、一緒に行くはずだった友達は、予定の1時間前になっても、連絡をくれなかった。
しかも、車は出せないときた。

なのに、彼は、メールで言った。

「間に合わないなら、俺1人で行くよ。」

彼なりに気を遣ったのかも知れなかったけど、私には、酷く冷たい言葉に聞えた。

私だって、学校を早抜けして来たのに。
私だって――行きたかったのに。

電車の中、もう何度目になるか、腕の時計で時間を確認した。

最寄駅から猛ダッシュしたと仮定しても、待ち合わせの時間には、20分も間に合わなかった。
待ち合わせどころか、先生の家に尋ねる時間にも遅れそうだった。

しょうがない、と、溜め息を吐き、“じゃあ、任せるわ。ごめんね。”とメールを打った。

しかし、気付いた。
もしかしたら、彼は、先生に一筆書いてもらうはずの、カードを持っていないかも知れなかった。

「メッセージカード持ってる?」
そう、メールを送ったけど、返事は返って来なかった。
待ち合わせの時間から、8分過ぎた頃(電車も遅れていた)、
最寄駅に着いても、まだ、返信はなかった。

彼はメールに気付いていないのだろうか?
もし、もう先生の家に向ったとして、途中でカードが無い事に気が付いたら、困るのではないか?

そう思い、走った。
駅から、真っ直ぐ、待ち合わせの場所へ。
1度、信号で止まった時、携帯を確認した。まだ、メールは来ていない。
また走り出した。出来る限り、全力で。10cm近くもある靴のヒールを鳴らして。

そして、25分遅れて、待ち合わせていた場所に着いた。

気が付けば、3分前に、メールが届いていた。

「カードあったよ。今、終わった。」

安堵した。同時に、悲しかった。そして、悔しかった。



“あぁ、私って、無力だなぁ。”



そう、思った。

ほんの3週間前、改心すると宣言してから、私は、何も変わっちゃいない。
空回ってばかりで、何の役にも立てず、結局、いつも人任せなんだ。


帰り道、泣きそうになったけど、田舎ながら、なかなか人の多い町だから、
ぐっと堪えて、少し、上を向いて歩いた。
出来るだけ、暗い道を撰んだ。

足が痛かった。頭も、少し、痛かった。
酷く、長い道程に感じた。

普通に歩けば25分もしない道程を、たっぷり40分かけて歩いた。

すっかり秋らしくなった、ひんやりと冷たい風が、頬を触った。
牧場の風下に位置していたのか、牛の臭いがした。
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